2011年8月1日月曜日

たんぽぽ舎より 地震と原発事故情報その134

◆ 地震と原発事故情報 その134 ◆
          4つの情報をお知らせします(8月1日)

★1.最悪の言論統制 憲法違反の暴挙を中止せよ
日弁連声明を全文紹介
★2.8/4「もんじゅ」を廃炉に!緊急院内集会
      &脱原発全国署名提出要望行動
★3.7/29「原子力損害賠償紛争審査会」傍聴報告
           自主避難は賠償対象外?
★4.4つの学習会・講座のご案内



★1.最悪の言論統制 憲法違反の暴挙を中止せよ
                                             山崎久隆
日弁連声明 全文紹介

原子力等に関する不正確な情報又は不適切な情報に対する
常時モニタリングに関する会長声明

政府は、本年7月、「ツイッター、ブログなどインターネット上に掲載される
原子力等に関する不正確な情報又は不適切な情報を常時モニタリングし、それに
対して速やかに正確な情報を提供し、又は正確な情報へ導くことで、原子力発電
所の事故等に対する風評被害を防止する」ことを目的とする原子力安全規制情報
広聴・広報事業について業者に発注した。

原子力等に関する不正確な情報又は不適切な情報に対する常時モニタリングは、
新聞・テレビを対象に過去3年間行われていたが、今年度は、東京電力福島第一
原子力発電所事故を受けて、ツイッター、ブログなどを対象に予算を8300万円
とこれまでの数倍規模に拡大して行うこととしたものである。

この事業においては、「常時モニタリング」すること、さらには、不正確とされる
情報等に対して「速やかに正確な情報を提供し、又は正確な情報へ導くこと」とさ
れているが、原子力発電や放射性物質の健康被害に関する情報は、科学的に評価が
定まらないところもあり、何が「不正確な情報」であるかの根拠が不明確である。
そのため、これによって、政府が「不正確」と考える情報を一方的に批判すること
により、情報を発信する者に対して萎縮効果を与える結果となり、憲法21条の表現
の自由を侵害する恐れが大きい。

そして政府の考える正確な情報に導くことは、政府の発信する情報と異なる情報の
流通を制限し、国民の知る権利を制限することとなり、原子力発電についての世論
形成をゆがめるなど、民主主義社会の根幹を揺るがせる重大な問題であると危惧せ
ざるを得ない。

そもそも、政府による原子力事故に関する情報開示自体が不十分なものであることは、
事故直後に放射性物質拡散予測情報が公開されなかったこと、炉心内の状況について
事故直後の原子炉の状態に関する情報がいまだに明らかにされていないこと、メルト
ダウンしていることが隠ぺいされ続けたこと、放射性物質が健康被害をもたらす閾値
などについて十分な根拠が示されていないことなどから明白である。また、九州電力の
やらせアンケート事件によって、原発問題については、不正な情報操作さえ行われる
事実が明らかになった。そればかりか、本日の報道によれば、経済産業省原子力安全・保
安院が2007年8月に国が開催したプルサーマル発電に関するシンポジウム前に、
地元の住民に賛成の立場で発言してもらう「やらせ質問」を中部電力に要請していた
ことが判明した。

このような背景の下、市民はより正確な情報を求めようとして、これまでインターネット
を利用する機会が少なかった人までもが、専門家やジャーナリストらがツイッターやブログ
で発信する情報を得ようとしたり、有益だと思える情報をツイッターなどで相互に伝えよ
うとしているのである。

むしろ政府が行うべきは、正確な根拠を引用した具体的網羅的な情報の開示であり、
自らが十分な情報を開示しないでおきながら、市民の間における情報流通の制限に
つながる試みを行うことは、情報統制である。その上、前述のとおりの情報操作の動き
があることも併せ考えれば、問題の深刻さを示している。

当連合会は、政府に対し、直ちに本件モニタリングを中止することを求めるものである。
      2011年(平成23年)7月29日
               日本弁護士連合会 会長 宇都宮 健児


★2.8/4「もんじゅ」を廃炉に!緊急院内集会
     &脱原発全国署名提出要望行動

福島原発事故の悲惨な現実を目の当たりにして、国民の原発に対する意識は大きく転換い
たしました。政府も「もんじゅ」については「予断を持たずに見直しを検討する」といって
います。
地震の大動乱期に入った今、最も地震に弱い構造の「もんじゅ」は、一刻も早く廃炉の決定
をすべき時期であると思います。開発につぎ込んだ額は2兆円。実験炉「常陽」から40年
以上経つが、まともに発電もできず、今後の見通しもないに等しい。
多くの議員と市民の声で、今こそ危険で無駄な「もんじゅ」を廃炉にさせたいと思います。
ぜひご参加下さい。

           8月4日(木)1:30より参議院議員会館1F講堂
進行予定
1.事前集会……………2:00から2:35
「もんじゅ」を巡る状況:小木曽美和子(原発反対福井県民会議)
                     大島茂士朗(ストップ・ザ・もんじゅ)
2.省庁交渉……………2:45から4:15
・財務省
・日本原子力研究開発機構
・文科省
3.まとめの集会…………4:15から4:30
4.脱原発署名提出要望行動…4:30から

呼びかけ議員(7月27日現在)
衆議院議員  稲見哲男、服部良一、中島隆利、吉泉秀男、
           阿部知子、重野安正、石田三示、照屋寛徳
参議院議員  大河原雅子、福島みずほ、平山誠、横峯良郎
           大島九州男、川田龍平、糸数慶子、山内徳信、相原久美子

主催:脱原発政策実現全国ネットワーク
     脱原発要求全国署名呼びかけ104団体
事務局:ストップ・ザ・もんじゅ〒573-0028大阪府枚方市川原町1-5
                          Tel:072-843-1904  Fax:072-843-6807
                               stopthemonju@sannet.ne.jp


★3.7/29「原子力損害賠償紛争審査会」傍聴報告
     自主避難は賠償対象外?
     ―第12回原子力損害賠償紛争審査会の傍聴報告―
木村雅夫(福島原発事故緊急会議)

7月29日(金)昼に雨の文科省前で「自主的な避難者にもきちんと賠償を」と訴える
集会が開かれている中、第12回原子力損害賠償紛争審査会(会長:能見善久学習院大
教授)が文科省で開催された。テレビカメラが4台入り報道関係者席・傍聴席には200
人以上。
まず、議題1「牛肉・稲わらからのセシウム検出に関する状況について」農林水産省
が経緯を説明した。宮城県等から汚染された稲わらが県境を越えて流通し、計16道県の
170農家で給与され、2965頭が出荷され、検査した393頭のうち31頭が暫定規制値を
超過していた。
次に、中間指針(案)についての討論。牛肉セシウム検出問題のため、中間指針のまとめ
は次回(8月5日)に延期され、ここでは枠組みを検討。文科省事務局から出された40ページ
に及ぶ「中間指針(案)のイメージ」には自主避難の記述はない。傍聴席からの声を受けて
会長が議事として採用して自主避難者に対する賠償を議論した。避難したい気持ちは分かる、
20mSvで切るとしても一定の額は補償すべきとの肯定意見に対して、どこで線引するか(例え
ば埼玉県の住民が遠方に避難した場合まで賠償するか)、できるだけ早く迅速に賠償するため
に自主避難を賠償に含めるべきでない、20mSVの基準はこの審査会でなく政府が決めること、
などの否定意見が出て、中間指針では賠償対象としない方向付けがされた。但し、能見会長は
何らかの形で個別賠償の必要性を示唆した。
自主避難賠償の議論では、20mSvが重要な基準として位置付けされ、5月27日付文科省通
知「福島県内における児童生徒等において受ける線量低減に向けた当面の対応について」も考
慮されず、国際基準では20mSvから100mSvでその下限を採用していると強調する中島委員(こ
れには傍聴席から「それは緊急時の基準」との声)発言があった。次回までに各委員へのオルグ
が必要だと感じた。以上


★4.4つの学習会・講座のご案内

◎第7回役立つ反原発基本講座
日 時:8月3日(水)18:00開場、18:45開会、21:00まで
テーマ:『私たちのめざす社会』
        -原発事故の心配ない・安心できて助け合う社会-
講  師:槌田 敦(核開発に反対する会代表)
資料代:1000円 会場:スペースたんぽぽ

◎日 時:8月18日(木)18:15開場、18:45開会、21:00まで
テーマ:『ストレステストの総合批判』-原発の再稼働に反対!-
講  師:山崎久隆(たんぽぽ舎)
真下俊樹(欧州の核問題に詳しい)
資料代:1000円 会場:スペースたんぽぽ

◎第2回お母さん向け(保育付き)講座
食べても大丈夫?-食品の放射能汚染と放射能の基礎知識-
日 時:8月22日(月)13:30開場、14:00開会、16:30まで
講 師:小倉  志郎(元原発技術者)
鈴木千津子(たんぽぽ舎)、中村徹、大竹なのは
資料代:800円 会場:スペースたんぽぽ
※元原発技術者小倉志郎さんと、食品放射能の検査を続けている
鈴木千津子さんのお話です。
小倉さんは放射能について、お子さんにもわかるように紙芝居
で説明して下さいます。

◎第3回お母さん向け(保育付き)講座
食べても大丈夫?-食品の放射能汚染と放射能の基礎知識-
日 時:9月5日(月)13:30開場、14:00開会、16:30まで
講 師:安田節子(食政策センタービジョン21代表)
中村徹、大竹なのは
資料代:800円 会場:スペースたんぽぽ
※長く原発や食料・農業の問題に市民の視点で取り組んできた
安田節子さんのわかりやすいお話で学びましょう。

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